- HOME
- ドクターズインタビュー
ドクターズインタビュー

父が守り続けた道を共に歩く
消化器の専門医として新たな一歩を
診療に合流されたきっかけは?

父である院長も70歳間近になり、これからの診療をより充実させていくためにも、二人体制で臨む時期が来たと感じていました。私自身は香川大学病院で長年内視鏡に携わってまいりましたが、大学病院で培った経験を地域医療に還元したいという思いが芽生え始めていた頃でもあります。ただ、父の姿を見ていれば、一緒に働くという選択はごく自然な流れだったように思います。
2025年4月に合流して、内視鏡検査はその年の夏頃から本格的にスタートしました。かかりつけ医として30年近くこの地域に根を張ってきた父のもとで、自分の専門を活かせるというのは、素直にうれしいですね。
消化器内科を選んだ理由は?
実は当初は腎臓内科や産婦人科にも興味がありました。ただ、父が開業医をしていましたので、将来的に自分も開業する可能性はどこかで意識していました。消化器内科はお腹の痛みや胸やけといった身近な症状から、がんのような重い病気まで幅広く診ることができます。それに加えて、健康診断などで症状のない方にも内視鏡検査を行う機会があるので、開業してからも長く続けられる分野だと感じました。
いろいろ考えた結果、自分に合っていたのが消化器内科だったという感じですね。

早く見つかれば、結果は変わる
大学病院での経験が教えてくれたこと
内視鏡を導入した理由は?

当院は「地域の医療を下支えする」というコンセプトで、30年近く診療を続けてきたクリニックです。私は香川大学病院で胆道・膵臓疾患を専門にしていましたが、その中で強く感じていたのは、早期に見つかるかどうかで予後がまったく違うということでした。
地域のクリニックで内視鏡検査を受けられるということを、まだご存じではない方も少なくありません。定期的に検査を受けていただくことで、この地域の皆様の健康に少しでも貢献できればという思いで導入を決めました。
大学病院の経験は診療にどう活きていますか?
大学病院にはすでに症状が出ていたり、他の医療機関で病気が見つかって紹介されてきたりする方が多くいらっしゃいます。中には、もう少し早く見つかっていれば違った結果になっていたかもしれない方もおられました。そうした方々をたくさん診てきた経験があるからこそ、「早めに検査を受けてほしい」という思いは人一倍強いかもしれません。
実際にこのクリニックで内視鏡を始めてみて、それまで検査を受けていなかった方の中から、早い段階で病変が見つかるケースが想像以上に多いと感じています。「今のうちに見つかって良かったですね」とお伝えすることが今の私の役割であり、やりがいでもあります。

大切にしているのは、最初の1回
「また受けよう」と思える検査を目指して
内視鏡医としての信念は?

「1回目を大事にする」ということに尽きると思います。まだまだ内視鏡検査に対してハードルを感じている方は多いです。ただ、最初の1回が楽であれば、その後も定期的に検査を受けていただけるようになります。逆に、最初の検査がつらい経験になってしまうと、2回目、3回目と続かなくなってしまう。
だからこそ、初めての方にはできるだけ楽に受けていただきたいのです。初めての内視鏡検査で不安な方はもちろん、以前に他の医療機関で苦しい思いをされた方にも、ぜひ一度当院で検査を受けていただきたいと思っています。
「楽な検査」の工夫とは?
鎮静剤を使った検査はどのクリニックでも行っていますが、当院がこだわっているのはその前後の時間の取り方です。検査の予約を詰め込みすぎないことで、鎮静剤がしっかり効いた状態で検査を始められるようにしています。
以前、他の医療機関で勤務していた時は、後の予約が詰まっていて、薬の効きが不十分なまま検査を始めなければならない場面もありました。当院ではそういったことがないように、お一人おひとりにゆとりを持って対応しています。
また、検査前にしっかりとご説明をして、緊張を和らげることも大切にしています。力が入ったままだとどうしてもつらくなりますので、リラックスした状態で臨んでいただけるように丁寧なお声がけを心がけています。

専門医の目と技術で見逃さない
一つひとつの検査に丁寧に向き合う
専門医が行う検査の違いは?

よく「餅は餅屋」と言いますが、まさにそうだと思います。専門医は内視鏡検査自体はできて当然で、そこからさらに正確な診断を下すための技術と知識が求められます。例えば大腸カメラでは軸保持短縮法という、腸を押さずにスコープを進める技術を使っています。これによってスムーズに挿入できるだけではなく、患者様の体への負担も減らすことができます。
また、検査中にポリープが見つかった際に、その場で安全に切除できるかどうかを正確に見極められることも専門医ならではの強みです。切除が可能と判断した場合は、検査時にその場で切除できますので、検査と治療を1回で済ませることができます。一方でより高度な処置が必要と判断した場合には、速やかに連携先の医療機関へご紹介いたします。
検査の精度で心がけていることは?
大腸カメラの質を測る国際的な指標の一つに、腺腫発見率(ADR)というものがあります。将来がんになる可能性のあるポリープをどれだけ見つけられたかを示す数値で、一般的には25%以上が目標とされています。しかし、当院では69%という水準を維持できています(※2026年5月時点)。この数値を支えているのはとてもシンプルで「時間をかけてしっかり観察する」ということです。
大腸カメラはスコープを引き抜く時に粘膜を観察するのですが、この時間が短いほど見落としが増えやすくなります。検査を詰め込まず、一つひとつの検査に丁寧に向き合うことが、この結果につながっていると考えています。

迷っているならまず相談を
あなたの「最初の1回」を一緒に
どんな方に検査を受けてほしいですか?
胸やけやムカムカ、胃の不調が続いている方には、ぜひ一度検査を受けていただきたいですね。食べているのに体重が減るという症状も胃がんや大腸がんなどの消化管のがんを示唆するサインですので、気をつけていただきたいです。
若い方でもご両親にピロリ菌の感染歴や胃がん・胃潰瘍の既往がある場合は、早めの検査をおすすめしています。胃がんはピロリ菌が関連するものが大半を占めているので、検査をしておけば安心材料にもなります。また、健康診断で貧血を指摘された方も、実は消化器の疾患が隠れていることがありますので、内視鏡検査を検討してみてください。
患者様へメッセージをお願いします

私はこれまで大学病院でがん患者様を数多く診てきました。良い結果をお伝えできた方もおられれば、残念ながらそうではなかった方もおられます。その経験があるからこそ、今は「定期的に検査をして、早く見つけてあげたい」という思いで、日々、内視鏡検査と向き合っています。
内視鏡検査を受けたことがないという方にとって、不安があるのは当然のことです。まずはお話をさせていただいて、お薬も使いながら、できるだけ楽に最初の1回を一緒に乗り越えられたらと思っています。「最初の一回」というハードルを楽に飛び越えることができたら、たとえその後、他の医療機関で検査を受けることになったとしても、内視鏡への抵抗感は少し減るのではないかと思います。迷っている方は、どうぞ気軽にご相談ください。
